めんどくさい

めんどくさいことって多々あるじゃないですか。仕事、バイト、勉強、家事全般、などなど基本的に全部めんどくさい。

じゃあさ、そのめんどくさいことを全て避けて生きるとするじゃん。そうしたら、少なくともその人の人生の中には、めんどくさいってことがなくなるのか、って言ったら、そうじゃないよね。

また新しいめんどくさいことが生まれてくるんだと思うんですよ。生まれてくるっつーか、自分の中でのめんどくさいのラインが下がると思うんだよね。めんどくさいって思う基準、それがライン。

中学高校は毎日学校行ってたのに、大学生になって「毎日はキツい」みたいなこと言いだすのもラインが下がってるのが原因なんです。

これが、めんどくさいの新論。ライン論。過去にどんなキツいことやってたって意味がない。何もしてないと、時とともにラインは下がっていく。現在のラインが「めんどくさい」を決める全てなのだ。

この理論に則ると、テスト前に部屋の片付けとかしちゃうのも容易に説明できる。テスト勉強っていうめんどくさいものと向き合っているから、一時的にラインが上がっているだけにすぎない。

ほら、こんな人の気持ちも理解できる。トイレに行くのをめんどくさがってペットボトルにしちゃう人。
とても正気の沙汰とは思えないじゃん？　でも違うんですよ、彼は確かにトイレがめんどくさいんだ。なぜならラインが下がりまくってるから。FW0人の状況になってるから。

考えてみてほしいんだけど、トイレがめんどくさくてペットボトルにしちゃうビジネスマンっている？　いないでしょ？
「部長！今度のプレゼンの企画書できました！でもおしっこはペットボトルにしちゃいました！」みたいな人がいたら、逆にある種尊敬してしまうけど。まあ、そんな人いないんですよ。

で、かくして、トイレのめんどくさいを回避した人は、じゃあ全てのめんどくさいが解決したのかといえば、やっぱりそんなことない。ラインはどんどん下がってく。メシ食うのめんどくさいし、そもそもおしっこをペットボトルに入れるのだってめんどくさい。

つまり我々は生きている限り「めんどくさい」から逃げることはできない。

だからさ、どうせめんどくさいんだから、いっそのことラインを上げてしまおうよ。ポテチ食った後、手を洗いに行くレベルのめんどくささで、朝から晩まで働けるようになるかもしれない。それって素敵やん。

いつまでもめんどくさいから逃げていたら、いずれ「しかしまわりこまれてしまった」になるのは目に見えてる。さあ、若者よ。めんどくささと戦え！　今こそ立ち上がれ！　立ち上がんのめんどくさい、じゃねえよ。いいから立ちやがれ！　クズ野郎！　軸となるめんどくささを一個持てよ。バイトなり勉強なり、なんでもいいから。

そんで、キーパーも上がるくらいにラインを上げきったらここに戻ってこい。俺の身の回りの世話の一切をしてくれ。頼むよ、めんどくせえんだ。

「何もしてないんだから風呂掃除くらいしろ」みたいなこと言う人ってホント人の気持ちがわからないよね。ラインが下がってる人の気持ちも理解してくれよ。僕たちにとっての「風呂掃除しろ」はキミ達にとっての「核戦争から世界を救え。10秒以内に」ぐらいのもんなんだよ。無茶苦茶なんだよ。

ねえ、誰か電話一本でめんどくさいこと全部やってくれる人みたいなのいない？
あ、でもダメだ。電話かけんのめんどくせえもん。

ああ、めんどくせえー。