ご主人さま論

どんなに素晴らしい口説き文句であってもそれが広く一般に使われるにつれ、チープなものへとなっていくじゃないですか。

「君の瞳に、なんたらかんたら」みたいなことだって最初はすごいオシャレな口説き文句だったはずなんです。
でも今じゃ、冗談でしか使われない。

それはなんていうか、そのフレーズが有名になりすぎてテンプレート化してしまったことが原因だと思う。

そりゃそうだ。そういう類の言葉ってのは、「君のためだけだよ」みたいなそういうプレシャス感が出ていないと意味がない。

で、「君の瞳に～」と同様の道筋で陳腐化している言葉を今日見つけた。さっきＡＶ観てたら見つけた。

それは「ご主人様」だ。

最近のご主人様の安売られ感と言ったらないよね。誰でも、誰にでも言う言葉になってるじゃん。安スナックのチーママあたりの口から飛び出してもおかしくない。プレシャス感０。

真に、ご主人様とメイドという関係が好きだった人は嘆いているのではないか。要はメイドがご主人様に忠誠を誓うみたいな部分にロマンがあったんじゃないの？そのロマンに水をドバドバ足して薄める行為だよね。貧乏カルピスだよ。メイド喫茶とかって。

だっておかしいじゃない。さっきまで自分をご主人様って呼んでたメイドが他のテーブルで早速別の男をご主人様って呼ぶんだよ？

こんなにわかりやすいボケもない。スーパーマリオくんくらいわかりやすい。「いきなりかーい！」っていう人差し指をピンと立てたツッコミを待ってるのかもしれない。

いやね、メイド文化を否定するわけじゃないんです。メイド喫茶ってすごく面白いと思うし。ただ「ご主人様」っていう響きにもう新鮮味も特別性も感じないということなんです。

だから、変えていこう。「ご主人様」からいい加減、解き放たれよう。

でも、観光名所的な感じで「ご主人様」を期待してる人もいると思う。水戸黄門の印籠みたいに「いよっ！待ってました！」的な。なので、ちょっとずつ変えていったらいいんじゃない？

３０人に１人くらいの割合で「ひこにゃん様」って呼ぶようにしたら、どうかな？
みんな「ご主人様」なのに自分だけ「ひこにゃん様」って呼ばれたらすごくドキドキすると思う。

「え？なんでなんで？俺、ひこにゃんじゃないよ？」と戸惑いながらも悪い気はしないはず。
たまに機嫌が良いときは「にゃ～ん」みたいに返事しちゃったりしてね。まあ、ひこにゃんがそんなこと言うのかも知らないけど。

そんでこれが大ブームになり、今が旬と見たＡＶメーカーは次々にひこにゃんモノをリリースする。
「ご主人様同様、ひこにゃん様が陳腐化する前に急げ！」ってもうてんやわんや。

ＡＶ女優は口々に「お帰りなさいませ、ひこにゃん様」やら「ああ～！ひこにゃん様ぁ～！」とか言う。「ひっこにゃあぁぁぁん！」で絶頂を迎える。

ひこにゃんにも、もうかつての面影はない。どっから見てもガッチガチの男だし、目もギンギンに鋭い。カルガモぐらいなら目で殺せる。
ゆるキャラどころじゃない。「ゆるいのはキミのおまｔｓｊのｍｆｌｍｋ


あっぶねえー！今、最低な下ネタ言うところだった。
オッサンの下ネタ言うところだった。よかったー。寸でのところで理性が働いてよかったー。

でもやっぱ言っとこうかな？何がウケるかわかんないし。

「ゆるいのはキミのおまただよ」

なんてね。





ホラな！だからやめとこうっつったんだよ！
あーもう、やめやめ！


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